読書

風月夢夢 秘曲紅楼夢(藤水名子)

著者の名前買い。あと、「名作の作者」と「その著作の内容」を交互に書く、という構造が風太郎の「八犬伝」を想起させたので興味を持った、というのもある。 「紅楼夢」の著者、曹てんの冒険譚パートは、キャラ立ちまくりの脇の人物の活躍ぶりと、中心人物の…

食卓にビールを(小林めぐみ)

この人とは結構付き合いが古くて「ねこのめ」とか「まさかな」の頃からのお付き合いですが、この本は初期の突拍子もない出来事を奇妙かつ軽妙な語り口ですいすい書いちゃう、という持ち味を味わえる作品となっております。 ここ数年のこの人の作風に(版元と…

冷たい校舎の時は止まる(上、中、下)

、、 土曜日に三冊揃いで買ってきた物を昨日昼過ぎあたりからビールとか昼寝とか挟みながら読み始めて、日付が変わるくらいの時刻に読了。 設定がちょっと特殊というか、オカルトがかっている点を除けば、基本的には「嵐の山荘」タイプの展開。長い割には文…

バジリスク(全五巻)

(ヤンマガKCスペシャル)" title="バジリスク~甲賀忍法帖~(5) (ヤンマガKCスペシャル)" class="asin">単行本五巻がでてめでたく完結したのでこの機会に昨夜一気買い。それを、午前中のだらだらした時間で一気読み。 うひゃひゃ。これがもう、予想以上に面白い…

浅草博徒一代―アウトローが見た日本の闇(佐賀 純一)

浅草博徒一代(新潮文庫)佐賀純一著出版社 新潮社発売日 2004.08価格 ¥ 620(¥ 590)ISBN 4101075212bk1で詳しく見る 何日かかけてちびちび読んでいたのを読了。 いやぁ、面白いのなんのって、出てくるエピソードや人物、語り口、どれもこれもが滅法面白…

レ・コスミニスケ(イタロ・カルヴィーノ)

レ・コスミコミケ(ハヤカワepi文庫 27)イタロ・カルヴィーノ著・米川良夫訳出版社 早川書房発売日 2004.07価格 ¥ 840(¥ 800)ISBN 4151200274bk1で詳しく見る なつかしがりながら、寝る前にぽちぽち読んでます。 これたしか、初めて読んだのは相…

復讐のサマータイム(豪屋大介)

そうか。ここまでやるのか。 豪気といえば豪気よのう。手放しで褒めたくはないけど。 あー。 この本については、「これはマザーファッカーの物語である」というタイトルで「評判記」に改めて書きます。と予告いうか予約。復讐のサマータイム(富士見ファンタ…

斬魔大聖デモンベイン機神胎動(古橋秀之)

モトネタのゲームが気に入っていたからというのと、やはり企画物とはいえ、基本的には古橋秀之のオリジナル・ストーリーということで買ったんだが、最近古橋氏、企画物多すぎる気がするぞ。まあ、いいけど。 あー。 ちょっちあれだね、「悪い」とはいわない…

あずまんが大王(あずまきよひこ)

いまさら、、、、、全巻いっき買いのいっき読み。 雑誌掲載時にはぱらぱらと読む程度の読者だったけど、こうしてまとめて読んでみると、素地のいい筆者がマニアックな方向やヲタク系に媚びながら自分が本当に追求したい方向性を模索している様子が伺えて興味…

ぶらんこ乗り(いしいしんじ)

午前ちうにちょこちょこ読了。 童話風の挿話と、全体の物語の相関のさせ方とかが面白かった。

やみとり屋(多田容子)

序盤はちょっとノリが悪かったんだけど、三分の一を過ぎたあたりから俄然面白くなる。最初ノリきれなかったのは、一人称と三人称が混在する構成故か。しかし、後書きで混成丁寧に解題されているように、この食いつきの悪さも著者の確信犯的な選択であろう。 …

江戸人とユートピア(日野竜夫)

いやあ、面白かった。 そうか、こういう「江戸」の見方もあったのか、と、ポンと手を叩くこと数回。 今ままあまり関心なかったけど、儒学者近辺とかかぎ廻ってみると、意外に面白いネタに当たりそうな気がする。

「逃亡作法(東山彰良)」 読了。なんっつーか、ノリと文体は非常によろしいんだけど、ストーリーテリングにまだまだ課題があるような……。 いや、面白いといえば非常に面白かったけど、ある程度目の肥えた読者は「もっとこれ以上」を望むのではないか? 特に…

「榎木津探偵と愉快な下僕ども」の二巻目、じゃなかった、「百器徒然袋−風(京極夏彦)」、買いましたよ読みましたよ。 あれ、こういう間が空くシリーズものは、読みながら「そうそう、こういう感じ」とかノリを思い出しつつ読むのが一般的だと思うのだが、…

「本と中国と日本人と(高島俊男)」 読了。なんというか、著者の高島先生のご専門が中国関係なだけに、はやりそっちの文献の紹介が多いのですけど、むしろこれは、日本の近現代史の中で「日本人が周辺諸国とどう付き合ってきたのか?」という軸で、関係書籍…

終わりのクロニカル3の上、中、下(川上稔)がようやくでそろったので、一気読み。 読んでも読んでも終わらねーうひー。って感じで、しかし、シリーズ物の中の一章分が三巻分冊ってどうよ? いやたしかにそんだけの設定的に濃度のある作品ではあるけどさあ…

とりあえず、戦利品のうち、この日のウチに読んだのが、 《世界》。 上、下 (皆川ゆか)長らく待たされたシリーズモノの完結編ということで、真っ先に消化にかかったんですが、これがなかなか微妙な終わり方。 「テーマ的には完結しているが、物語的にはぶ…

 神の手 望月諒子

電子出版で講評を博した作品を文庫化、とのこと。 とりあえず、本書の実質的な探偵役である木部美智子を主役に据えた作品の第二弾、第三弾の刊行が決定している。 (これを書いている時点では、第二弾の「殺人者」まで刊行済み) 実質的なデビュー作にあたる…

 ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(滝本竜彦)

この人の作品ははじめて読んだけど、なんか普通のジュブナイルって感じで特に目新しさは感じなかった。 一時間ちょいで読了。

 バッテリー2(あさのあつこ)

前作、バッテリーの「濃さ」がただごとではなかったので、書店で見つけて即購入。 いやぁ、これ、やっぱりすごいや。 詳しい感想は後ほど書くけど、未読の人にはオススメ。

 十八の夏(光原百合)

一日の通勤時間内で読了。 一応、ミステリ物の短編集だけど、謎解き要素は薄め。 小説としての出来では最初に掲載されている表題作が、謎解きとしては一番最後に掲載されている作品が、いい。 こういう、いわゆる「癒し系」が流行るのはわかるけど、イマイチ…

「空の境界」下読了。前日の感想は特に変わらず。 「講談社ノベルズ」というレーベルのメインの読者層にはそれなりに目新しいのかもしれないけど、いわゆるライトノベルの作法や文法について、「カラダで知っている」態の方には、あまり斬新でも目新しい出来…

空の境界 上、下 奈須きのこ帰りに本屋に寄ったら「空の境界」(「そらのきょうかい」ではなく、「からのきょうかい」と読むのだよ)が店頭に平積みになっていたので、早速購入。 「月姫」のヒットなどで「同人であれだけ売れた」みたいな話題になることが多…

ダブ(エ)ストン街道 浅暮 三文 (著) 途中まで放り出しておいてツンドクになっていた本を何故かこの日読了。 面白いといえば面白いんだけど、この牧歌的なノリについていけるかどうかは結構読者の体質次第、という気もする。 要するに「迷子の迷子による迷子…

ISBN:4091870716 ホムンクルス 1、2巻 山本 英夫 (著)「殺し屋1」の人が現在スピリッツで連載しているヤツ。 雑誌でもたまに拾い読みするぐらいだったけど、単行本でまとめて読んでみると、この設定は、ちょっといいね。 「トレパネーションである種の人…

 損料屋喜八郎始末控え 山本 一力

手堅い世話物。時代劇特有の語彙や文章はなれない人はとまどうだろうけど、それをおして読ませる力あり。「田沼失脚後」の寛永に舞台をとり、札差屋廻りの様々なトラブルを収めていく喜八郎周辺の人々を描く。この時代は、世相的に、バブル崩壊後の現在の日…

 沈夫人の料理人 2

ISBN:409185494X 飲みながら、「沈夫人の料理人」の二巻目をみてケラケラ笑う。 沈夫人はあいかわらず良い性格しているし、李三の自虐的な性格もいい味出しているのだが、基本的に、 いじめる → 良い料理が出来る → ウマー! というパターンの繰り返しなので…

「よつばと!」1、2 購入。前々から気になっていた作家、作品。 一件軽そうにみえるけど、実は緻密な観察眼によって、各キャラクターが精緻に設定されていることに気づく。 「こども」の生態を描く作品は、メディアを問わず多々あるわけだが、この作品の視…

「アリア系銀河鉄道 三月宇佐見のお茶の会」柄刀 一 (著) この人の作品は初めて読んだが、なんっつうか、マニアックやね。 ある意味、ミステリというジャンルの遊戯性をつきつめるとこういう作品になるのかもしれない。 抽象的な思考実験とかがお好きな人は…

《吊るされた男》、そして… 真・運命のタロット 8 上、下 読了。三年以上待たされたんでないかい? なんか、続き読めることを半ば諦めていたから、ちゃんと続巻が出たのが嬉しいなあ。 最終巻は7月予定だそうだが、ちゃんと出るかどうかは神のみぞ知る。