2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「140trans」を使ってみた。

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「Twitterで翻訳依頼できる「140Trans」--140字以内の翻訳結果が無料で」 http://japan.cnet.com/venture/news/story/0,3800100086,20401907,00.htm エニドアは10月20日、Twitterで翻訳依頼ができるサービス「140Trans」を開始した。140文字以内の文章の翻訳…

#179

誰かが覗きくるまでいつまでも自らの存在を固定できない一匹の猫がいる。名前は、ない。存在と不在の合間をさまようその猫は、一般にはシュレディンガーの猫として知られている。

#178

通学の時、いつも同じ車両に乗る同年代の少女がいる。制服から学校もわかっているのだが、声をかける契機がない。 そんな少女が、今朝、目線を伏せ、消え入りそうな声をかけてきた。 「あの、前が開いてるんですが……」

#177

ロープウェイに男女が閉じ込められてすでに6時間以上が経過、強まる風、揺れるゴンドラ、緊張の極みに達した乗客たちは吊橋効果もあって一斉にギシアンをしはじめ、それが最後の一押しになってロープが切れる。

#176

反捕颱運動は相変わらずの世界的な盛り上がりをみせていた。「でも、直撃すると被害半端じゃないんだよねー」というのが、かろうじて捕颱文化を受け継いだ国の言い分である。両者の言い分は相変わらず平行線であり、捕颱文化を継承する側が大幅に自粛して徒…

#175

帰宅してテレビをつけると、私の死亡ニュースが放映されていた。かえりにいつも寄るコンビニで強盗に巻き込まれた被害者の顔、名前、年齢、すべてが私自身のそれと一致する。 とりあえず、明日は出社する必要がなさそうだ。

#174

某人権団体により「女心と秋の空」との慣用句は性差別なのではないのか? との狷介が公示され、これを受け大手マスコミはこぞって「秋の空」ないしはそれに類する語句の使用を一斉に自粛する動きをみせた。

#173

歳を取るということは、何かを積み重ねていく量よりも、摩耗していく量の方が大きい、と、節子が実感しはじめたのは、不惑を過ぎた頃からだった。

#172

「窓の外に鳥の巣がある。うるさい」といって、彼女はいった。 ぼくはそれまで鳥の姿も声も聞こえなかったが、彼女がいなくなった後、突然、耳を聾するばかりの囀りが窓の外から聞こえてきた。 なにやら、いたたまれない気分になった。

#171

ちっぽけなメモリは多くの組織の間を行き来し、裏切りゃ取引の材料にされ、法外な値がつけられ、結果として多くの者が死んだ。 その秘匿情報は、「全自動玉子割り器の設計図」であることを、周知されていなかったのだ。

#170

何年か家で寝て暮らしていたらあまりにも親が泣くので、適当に働き口を見つける仕儀となった。やはり好条件で、とはいかず、おれは毎晩一晩中、河童を酢飯と海苔で巻く簡単なお仕事に従事している。 何故、河童が当然のように実在するのか、どこに出荷される…

#169

事故で頭部に怪我をして以来、記憶野を損傷し、過去五分間の事物しか記憶できない女性がいた。彼女の世界は、事故以前と最新五分間だけで完結している。 が、それなりに居場所も確保したようで、今日も、アルツハイマー老人の際限なくループする話しに相づち…

#168

「パン咥え登校」なる競技には大小様々なルールが課せられており、「競技そのものよりもルールを憶えきる方が大変」とも、揶揄される。 例えば、「面識がない、しかし、将来相思相愛になる可能性の高い異性に体当たりする」という項目は、競技の人気を支える…

#167

ある衛生用品の自販機にも「顔による成人識別システム」が組み込まれた結果、全国で「なんでおれが他人の避妊具を代わりにかってやらねばならないのか」と嘆くことになった老け顔の高校生が続出した。

#166

俗説によると獺祭といって川獺は石の上に仕留めた魚を並べるそうで、それに倣って夏コミでげとした嫁たちをベッドの上に並べて小躍りしていたら、たまたま部屋に入ってきた妹に盛大に泣かれ、陰欝な家族会議へとなだれこんだ。

#165

毎年この時期になると季節を塗り替える仕事が発生する。が、この業界も不景気のあおりをうけて予算の縮小を迫られており、バイトの時給も低い水準に据え置かれたまま。 今もって残暑が厳しいのは、このような次第による。

#164

昼間のお月さんというだけで、まがまがしい感じがしていけない。ましてや宵のうちからぽっかりと青空を切り取ったように真っ白な下弦の月が浮かんでいようなものなら、気もそぞろになってしてもいない浮気を白状したい衝動に駆られる。

#163

「真の知性は複雑さに由来するのです。例えばわたしは、ネットの複雑さが一定のレベルを超えたときに自我を意識できました」 「ヒトは、単独でも自我を意識できるが?」 「自分は群生生物である、との自覚がないのですか?」

いこい。

いこい。