2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧
朝日。
赤いマフラー。
ざらついた夜、不鮮明な遠い月。
こめかみのあたりが微妙に疼くので頭蓋骨を開いて調べてみると大脳皮質の皺の隙間に鼻糞ほどの頭痛の種を発見した。 とりあえず鉢植えに埋めてみたが、春先にどういう成長をするのか楽しみである。
うどん。
「未熟なのと不完全なのは、違うよ。まるで違う。 前者が君で、後者はおれだ」 そういって去った彼は、永遠にわたしの前から姿を消した。
冬の朝。
「リアルが充実していて何が面白い! そんなものを有り難がるのは、世間知らずのガキだけだ!」 「まったくだ! こっちとら、リアルに包囲されて身動きもできず、窒息する寸前だってのに!」
不景気。
「次のニュースです。 昨夜、全国各地で、中央銀行から何者かによって強奪されたものと同じナンバーの札束が民家に投げ込まれているのが確認されました。 配布地域が広範なことから当局は組織的……」
25日になったとたん、街中には赤い服の失業者が増えはじめ、それが26日にもなるとその人数は膨れ上がる。 トナカイを処理して密買しはじめたり、保健所やその他当局を悩ませる超短期特定労働者たち。 その名はサンタ。
くも。
なんの気まぐれか、サンタがあるホームレスに希望をプレゼントした。 なにしろ聖夜だ。 ところがこのホームレス、希望の価値をついぞ理解できなかったもんでその場で叩き売り、一晩の酒代にしちまったってさ。 メリークリスマス。
赤玉。
電飾。
「本日は冬至ということで、湯治場に来ています。こーのはぁ……」 「この短さ、しかも文字だけで温泉回をやるのは果てしなく設定の無駄だよね」
空。
「寒さ爆発しろ」とひとりごとをいったら、北半球全体で気温が数百度上昇し、地球温暖化が一気に加速した。
資本主義的聖者。
昼下がり。
赤い実。
くも。
空。
寒い朝、布団から出たくなくなるのは妖怪布団ぬくいの仕業です。 寒い夜、火燵から出たくなくなるのは妖怪火燵いいの仕業です。 今朝、百八歳のおじいさんが二度の目覚めなかったのは、寿命による大往生です。
アキバ駅前閉店セール。
裏山の小道を抜けると、地面には一面紅葉が敷きつめられており、その上にとぼとぼと幼子の手首が落ちている。
しんと静まりかえった眠れない夜、何年かぶりで深夜の匂いをかいだ。こどものころ、寝床のなかでよくかいだ匂いだ。 そういえば独り寝なんて、何年ぶりだろう。
リアル・ダンボー。
思い立って、先日から蔵書の整理をしている。 部屋中に蔓延した書物を処分するものと取り置きするものにわけ、前者を近所の新古書店に持ち込んだりするわけだが、これが一日二日で片がつくような量でもないので、気長にドナドナをうたいながら日に二度くらい…
かつや 海老フライ丼。