ダブ(エ)ストン街道 浅暮 三文 (著)
ダブ(エ)ストン街道 (講談社文庫)
途中まで放り出しておいてツンドクになっていた本を何故かこの日読了。
面白いといえば面白いんだけど、この牧歌的なノリについていけるかどうかは結構読者の体質次第、という気もする。
要するに「迷子の迷子による迷子のための」寓話。


経営者の精神史 山口 昌男(著)
経営者の精神史 近代日本を築いた破天荒な実業家たち
山口御大の著作も久々にまともに読んだな。博覧強記ぶりは相変わらず。
明治初期からの「経営者」(現在まで続く企業の創始者も多く含む)にスポットを当てた論考集。「週刊ダイヤモンド」に連載したものをまとめて、とかいうと、紋切り型の「ビジネス書」を想起するかも知れないが、当時の「経営者」は出身階級も出自も教養も性格も、てんでばらばら。テロリストから遊び人、コレクター、俳人文人、音楽家、学者などを兼ねた個性的な人間が多く、ヴァラエティに富んでいる。
「経営者」の「経営以外の部分」にスポットをあて、横の繋がりや意外なネットワークなど、それまであまり詳細に語られなかった部分も含めて、これだけの人数について語った書物というのも珍しいかと。
それまでの「経済史」とか「歴史」とかの記述からこぼれた部分が読める、ということではやり、ひかえめにいっても「好著」であると思う。