ワーキングプアの若者に対策が必要ないくつかの理由。

http://anond.hatelabo.jp/20080216161800

(前略)
誰に訴えてみても、誰も助けてくれない。

中学生にできる自助努力なんてたかが知れている。

それでも、担任も親もクラスの連中も「いじめられる側に問題がある」だよ。

よしんば俺に何か原因があったとしても、暴力が許される訳がないのにね。




そんな「格差社会・自己責任社会」を学生時代過ごして来たから、俺は大学受験と就職活動は文字通り死に物狂いで頑張ったよ。結果、給与が良く残業が少なく身分保障がしっかりしている今の職場にいるんだわ。



で、今NHKワーキングプア特集とか、格差問題のテレビとか見てても正直ピンとこない。テレビに出ている生活に困窮したワーキングプアの若者、あの人達の学生時代はどうだったんだろうね?クラスにいる弱者の苦しみを何の問題意識も無く眺めていたのだとすれば、現在の状況は社会の被害者でも就職氷河期の犠牲者でもなく、ただ単に「因果は巡る」ってだけだろ。学生時代Cクラスで、そのままワーキングプアになった人も、社会の格差構造をもっとも肌身に感じて理解できる立場にいたのだから、それで対策ができないというのは甘すぎるというほか無いんじゃないか。
(後略)

まあ、言っていることは、それなりに分かるんだけど……でも、事実のごく一面しか観ていない意見ではある。
格差も競争も否定するわけではないけど、それだけですべてうまくいくほど、世の中単純ではないのよ。
現実問題として、この世の中で「完全に公正なスタートライン」を整備することは不可能だし、そうなると、年収なんかも親の世代の収入、という条件に左右される……つまり、「収入の世襲性」みたいなことが、起きてしまう、ということが一つ。
これは、「社会全体の、資産の固定化、硬直化」という問題ね。
あと、定収入層の人口比が一定以上に広がってしまうと、消費活動が鈍ってしまう、税収が落ちてしまう……という、「経済活動の鈍化」という問題。
一部の富裕層が、増え続ける低所得者層の分までばんばんお金を使って回してくれるといいんだけど、あまりにもアンバランスになってしまうと、日本経済全体が、どんどん動脈硬化を起こしていってしまう……という問題。
さらに、低収入者層が増えすぎると、その分、まともに結婚とか出産とかが出来なくなる人も必然的に増える。
ただでさえ若年層が減り続けている中、長期的に見て、これ以上子供が減るのはよろしくない……という問題。
わたしは全然経済とかには明るくないんだけど、それでも、ざっと考えてみただけども、これくらいの問題点を指摘することが出来る。
ワーキングプアがいること」が問題なのではなくて、「ワーキングプアが増え続けること」それに、務めていた勤務先の倒産などでドロップアウトした人たちの救済処置が間に合わなくなってきていること、再挑戦の受け皿が少なくなってきていること……などが、問題なのだと思いますです。