#269

公園の桜がほころびはじめた矢先にみぞれまじりの氷雨が降りだした。せいぜい気温が低い夜半から明け方までの現象であり、もちろん、積もることもない。地面につくまでには液体になっている落下物が街灯に照らされていている。
どこからか、悲しげな犬の鳴き声が聞こえた。