#259

 場末のカフェに入るとテーブルの上に妖精が座っていた。
「バレンタインの精です」うるさいのでポケットに入っていたチロルを放ってやる。
「期間限定ですから」妖精は包装を解いて自分の頭ほどもあるチョコにかじりつく。
「お前さんは呑気でいいねえ」
 呟いて、熱いコーヒーを啜る。