白山さんと黒い鞄

白山さんと黒い鞄 (電撃文庫)

前半のストーカーモードの白山さんが可愛かった。
あと、遠崎副部長はいいキャラだなあ……。
まあ、基本的にこの手の作品にありがちなとと不思議はいったボーイ・ミーツ・ガールではあるんだけど、主人公の少年が「不幸体質」をも持っている以外は比較的特徴のない平凡な人であるの比べ、副部長とか伊織とかがオーバースペック気味の設定になっているあたりが、面白いといえば面白いか。
確かにこの主人公と白山さんあと、周りのフォローがないと話しが進まないし、バッドエンドに一直線という感じだし、構造としてはこれでいいのかも知れない。最近の流行だと、あんまりオーバースペックなキャラは歓迎されないようだしな。
阿頼耶識とかのトンデモ設定は、多少の制約はあるものの、何でもありすぎてかえって……という点は、正直、ある。特に白山さんというか鞄の所有者の能力が、敵対する阿頼耶識と比較して大きすぎ。
「発動すれば無敵。しかし、発動するまでに条件を整えるのが困難」というタイプ。
この一冊では発動シーンをクライマックスに持ってくることで爽快感が出ていたわけだけど、シリーズ化して続刊とか出るようになると、パワーバランス的に難しくならないかい、この設定。この一冊目で発動条件はかなり整えられてしまったしな……。
何でもありの戦闘シーンは、イメージ的には大変楽しいのだけどね。