天を決する大団円 下

いよいよというかようやくというか、とにかく登場した完結編。長いこと待たされ、一時は事実上中断かとあきらめていた時もあったくらいだから、どんな形であれ、完結したのは、めでたい。
しかしまあ、和穂がぶちまけた宝貝回収の件は脇に置いておいて、謎の反乱を起こした師匠の後始末をしてとりあえずの終幕、という形は、物語の結構としては正直ちょっとあまりきれいではないな、とも思う。
序盤から中盤にかけてのアイデアの洪水や次々とでてくる性格の破綻したキャラ、意外な宝具が意外な理由で強かったり回収しにくかったり……というあたりの機微を面白がっていた身としては、多世界解釈を導入した上での人情話でとりあえずの決着にしてしまったあたりに、著者の息切れを感じてしまった。
まあ、お疲れさまでした。