とある飛空士への恋歌

とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

とある飛空士への恋歌 (ガガガ文庫)

前作の「追憶」が一冊できっかり完結していたから、続編はどうすんのかいな……とか思っていたら、何のことはない。舞台の世界だけは共通しているけど、登場人物はそう入れ替えの完全仕切直しだった。そらそうか。
まあ、主人公が幼少時に革命で王位を追われた元王子様だったりするけど、そのほかは血の繋がりがない義理の妹がいたり、元超能力者で革命のシンボル的な役割を果たした美少女とそうとは知らずに仲良くなったり……と、ファンタジー風味の世界にあわせて若干のアレンジはあるものの、ある種のラブコメのフォーマットに非常に忠実な設定。まあ、前作の「追憶」も、ローマの休日タイプのフォーマットに忠実なベタさ加減が受けていたのだろうから、お約束のオンパレードは別に悪いこっちゃない。
ただしかし、この一冊だけではようやく「設定の説明がお終わりました」というところで終わってしまっているので、これ一冊を単独で評価することはあまり意味がなかったりする。
シリーズ物の一冊目だったら、タイトルなり表紙なりからちゃんとそういうことがわかるようにしておけよな、とは思った。最近は、マンガと同じくラノベもビニールに包んで中身が見えないようにしているお店、多いんだから。