ベントラーベントラー

ベントラーベントラー(1) (アフタヌーンKC)

ベントラーベントラー(1) (アフタヌーンKC)

「首都圏民営警察外星生物警備課」の活躍(?)を描く脱力系SF連作短編集。
宇宙人やら宇宙人が作った人造物やら宇宙生物やらが日常的に飛来してくる世界。とはいえ、頻度は数週間から数ヶ月に一度、程度だから、「民営警察」なる責任の所在がはっきりしない組織に対処が一任されている。しかも、「外星生物警備課」の実働人員はわずか三名、というセコさ、貧弱さ。
とりあえず、クタムさんをはじめとして、宇宙人関係の造形が秀逸。これは、マンガでみるより立体にした方が絶対に「映える」造形で、おそらく、作者はアートとかデザイン系の教育をしっかりと受けてきた人なのではないかな、と推測。
話して的には変則的なファーストコンタクト物、だと思うのだが(いや、頻繁に宇宙人関係と接触がある世界なんで、「ファースト」ではないんだけどさ)、SF的なネタとしてもバラエティーに富んでいて飽きさせない。
携帯電話の電波が見えたりメジャーな地球の言語は習得済みだったりする、高性能なわりにはあくまでトボケているクタムさんのキャラクター造形が、いいポイントになっていると思う。
これ、CGとか着ぐるみバリバリにつかって、深夜枠とかでTV番組にしてくれないかな。金がかかりすぎるから無理か。