この広い世界にふたりぼっち 2

このシリーズ一冊目でちょっと物足りないな、と思ったのは、しっかりとした設定を構築しているっぽいのに、それをすべて出し切る前にあっさりと終わってしまっていること。描写も、全般にあっさり系だし、設定すべてを説明しきらなければならない、という法もないのだが……もうちょっと、この物語世界に浸ってもいいかな……という名残惜しさをを、読み終わるときに感じた。
だから、一冊目の刊行からさほど間をおかずに刊行されたときも、すぐ読んだんだけど……今度は、わたしの方が、一冊目の内容をほとんど忘れていた。ええ。もともと記憶力があまりよくないところにもってきて、最近はさらに物忘れが激しくなってきている。
で、まあ、とりあえずこの二冊目を読み終えてからまた一冊目を読みなおしてみたんだが……あー。しっかり話しが続いているのな、これ。
蝶々とか赤い狼とか、ちゃんと一冊目から出てきているやん。わたしが覚えていなかっただけで。
この二冊目単体で強く印象に残ったことをいうと、サブタイトルの「人形カラシニコフ」とある通り、年端もいかない、華奢なおにゃのこが無骨なカラシニコフを振り回すイメージが鮮烈。
サブタイトルの「人形」の方にも、それなりに意味はあるのだけど……こちらのイメージは、どちらかというと使い古されている感があるからなぁ……。メイドっぽいおにゃのことか、「盗まれた街」的なイメージとか。
巨人とかヴェルザンディとかも、神話の時代からあるアーキタイプ的なイメージで、あまり新味はないし。