#12 われ存在り

いよいよ、最終話。
広大な屋敷の中を彷徨う真九郎と、やはり広大な敷地内でカーチェイスおっぱじめた紅香、弥生組を交互に映して、真九郎と蓮杖が会話をしはじめたタイミングで、どっかーんと屋敷内カーチェイスが突入してくる前半の展開が、やはり練られている……と思ってしまうなぁ。
人物と、それに、静と動の対比。
緻密に描かれた襖の絵に、九鳳院という家のスケールをさりげなく感じさせつつ……。
そっから、アクションも含めて、九鳳院対真九郎の対決がもう一くだりあるのだけど……これも、単純な勝った負けたの世界ではなくて、相手の言葉をどう聞き、自分の言葉をどう伝えるか……という、荒っぽいコミュニケーションなんだよな。とりあえず、こちらの力量を認めさせなくては、対話のテーブルにさえつこうとしない相手なわけで……。
初回からちらりちらりと登場していた蓮杖は、登場シーンこそ少ないももの、やはり重要なキャラなのだった。
紫と真九郎の最後の会話もよったし、その後のお馴染みの連中とのやりとりも、なんか、実に「それらしく」てよかった。
作品的には地味だけど、細かいところまで考えつくして作り込まれた、クオリティの高い作品だった。

紅 1 [DVD]

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