好き好き大好き超愛してる。
- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/13
- メディア: 文庫
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読んでいて連想したのは、筒井康隆の「夢の木坂分岐点」。
ただ、あれは、夢の中で何人もの中年男の人生がつながっている、というコアが存在したわけだけど、こっちの「好き好き大好き超愛してる。」は、そうした分かりやすい構造は(少なくとも、読んですぐにそうとわかるようには)記述されていない。
一見バラバラに見える設定とシュチュエーションをつぎはぎにして見えてくるのは、冒頭にある、
「愛は祈りだ。ぼくは祈る」
という主題だけではないのか?
そのシンプルな主題を引き立たせるために、ここまで物語の構造を破砕したのだとしたら、それなりにうまい方法だな、とは、思う。
確かに、効果的ではある。
……この人以外が、こういう手法を真似られるとは、思わないけど。