今回の「サルまん」連載中止について@たけくまメモ

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_b30e.html

というか、彼はあくまでもマンガ家ですから、俺が「今度のサルまんはメディアミックスだ。一緒にアニメを作ろう、グッズを作ろう」と言い出しても、自分はどうすればいいの、という反応になってもしかたがないでしょう。それはマンガ家の仕事ではないわけですから。俺はもともとマンガ家ではないので、こういう発想になってしまったのだと思います。もう少し、彼の立場というものを考えるべきでした。

サルまんでも、とんち番長のアニメ化などメディアミックスについてはすでにネタにしていました。ただそれはコンセプトの呈示にとどまっていましたので、今回俺は、コンセプトとしてではなく、本当にアニメやグッズを作って販売しようと思っていたのです。

マンガ界の現状は、マンガ雑誌本体はもう崩壊寸前で青息吐息なのですが、一部に「売れる作品」があって、あとはアニメ化・商品化・携帯配信などをやることで、かろうじて維持しているのだと思います。そうしたことを片っ端から「本当にやろう」というのが俺の考えでした。もちろん、あくまでシャレになる範囲でのつもりでしたが、シャレだとしても、ある程度本当にやらなければサルまんのギャグにはならないと思いました。

メディアミックスで行く、ということは俺が最初から(入院前から)言っていたことで、その方向で始めることに合意ができていたと(俺個人は)思っていたわけなんですけど、いざ作業を始めてみたらそっちに動いていたのは俺一人で、相原君も編集部も、しぶしぶそれに合わせている、という感じがずっと続いていました。最初からそれがわかっていたら、たぶんパート2は断念していたでしょう。

ああ……。
そういうことか。
流石に雑誌連載までは追っていないけど、単行本化を結構楽しみにしていた身としては、残念な決定……ではあるけど、なんか、竹熊氏らしい経緯だなぁ……。
竹熊氏、基本的に「企画屋気質」の持ち主だから、そういう発想をしちゃう、というのも深く頷ける話しではあるのだけれど……掲載誌がIKKIでは、駄目だよなぁ、こういうの……。
仮に、編集部が乗り気になったとしても、あそこは自分からメディアミックス企画とか、主体的に展開する体質ではないし……。
それと、竹熊氏の健康状態と多忙さも考慮すると、仮にそのまま続けていても、やっぱり不完全燃焼で終わった可能性の方が高い。
残念ではあるけど……そういう方向性を目指していたのなら、中断もやむなし……というべきか。