フーコー

フーコー (河出文庫)

フーコー (河出文庫)

ジル・ドゥルーズによるフーコー論。文意は比較的平明ではある。が、この手の書物にありがちな、随所に挿入される引用ならびに注釈が煩雑で、関連知識が不足しているこちらにしてみれば、ひどく読みづらい。
例えていえば、海草がごっそり絡まった地引き網状態。網そのもの重量は大したことはないのだが、網に絡まった海草が、ひどく重いんで、引き上げるのに渾身の力を込めなければならない。
この本の場合、「網に絡まった海草」にあたるのは、フーコーと比肩しうる仕事をした歴代の著作者(哲学者)たち。彼の仕事について、それなりに知っている人とそうでない人とでは、読み方が違ってくる。
で、わたしはというと、そっち方面についてはあまり詳しくはなく、そういったわけで、読み進めるのにそれなりに難渋した。
でも、まあ。
さて、これで、本格的にフーコーを読みはじめる準備は整ったかな、という気はする。