モスラの精神史

モスラの精神史 (講談社現代新書)

モスラの精神史 (講談社現代新書)

  • 純文学畑の三人の原作者(中村真一郎福永武彦堀田善衛
  • 養蚕と「蛾の怪獣」(明治から初代映画公開前後まで、シルクは日本の重要な輸出商品であり、「繭と芋虫」の形態は、当時の日本人にとって身近なものあった)
  • 映画。舞台。興行。(日米同時公開。二本立てが当然の、当時の「劇場」の配給方式。ザ・ピーナッツのレビュー映画としての「モスラ」)
  • インファント島(南洋幻想。原水爆実験地の少数民族
  • コング・コング、ゴジラなど、従来の怪獣との比較。(ゴジラのような「破壊者」ではなく、平和主義的怪獣)
  • モスラの進行ルートの検証。(一度海上で姿を消した後、何故か奥多摩小河内ダムから出現。南下して東京の中心部へと向かう。このコースには、どういう意味が隠されていたのか?)
  • 空爆のイメージ。
  • イメージの伝播(王蟲、ギガント、アロバトロスはモスラの後継者か?)

など、非常に内容が盛りだくさんで、実のところいまだに内容を消化し切れていない気がする。
いや、しかし、この本は「モスラ」を軸にしてかなり広範な内容に言及していて、なかなか面白かった。