モスラの精神史
- 作者: 小野俊太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/19
- メディア: 新書
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- 純文学畑の三人の原作者(中村真一郎、福永武彦、堀田善衛)
- 養蚕と「蛾の怪獣」(明治から初代映画公開前後まで、シルクは日本の重要な輸出商品であり、「繭と芋虫」の形態は、当時の日本人にとって身近なものあった)
- 映画。舞台。興行。(日米同時公開。二本立てが当然の、当時の「劇場」の配給方式。ザ・ピーナッツのレビュー映画としての「モスラ」)
- インファント島(南洋幻想。原水爆実験地の少数民族)
- コング・コング、ゴジラなど、従来の怪獣との比較。(ゴジラのような「破壊者」ではなく、平和主義的怪獣)
- モスラの進行ルートの検証。(一度海上で姿を消した後、何故か奥多摩の小河内ダムから出現。南下して東京の中心部へと向かう。このコースには、どういう意味が隠されていたのか?)
- 空爆のイメージ。
- イメージの伝播(王蟲、ギガント、アロバトロスはモスラの後継者か?)
など、非常に内容が盛りだくさんで、実のところいまだに内容を消化し切れていない気がする。
いや、しかし、この本は「モスラ」を軸にしてかなり広範な内容に言及していて、なかなか面白かった。