生物と無生物のあいだ

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

この本も、この手の硬い内容にしては、そこそこ売れているようですね。良書であることは確かだから、まずは良かった。わたしとしては、大半の内容は既知のことだったけど、ロックフェラー研究所のこと、野口英世の向こうでの評価、それに「案ソングズ・ヒーロー」のこと……などなど、そういった海外での研究経験がある人でしか語れないディテールが興味深かったし面白かった。
ちょっと話しは逸れるけど、私事。
数年前、某知人とこの本の内容と少しかする話して、そこのとについて少し書く。
その知人はかなりいい(というか、国内でも有数の)理系の大学を卒業をしているんだけど、話しの流れで「知性」の話題になって、いきなり、「生物=知性体だ」という自説を自信たっぷりに披露しはじめた。
わたしの乏しい知識によれば、「生物」の定義は「自己複製が可能」程度の認識しか持たなかったわけだで、かなり面食らったから、弱々しく反論したわけだけど(当然だけど、単細胞生物無脊椎動物も植物も細菌も、「生物」の一種です。生物の種別ごとに分けたら、知性がある群よりも知性らしい知性がない群の数のが、圧倒的に多い)その知人はわたしにむけ、「あんたは論争に負けそうになるとそうやって意地張るのな!」とかなり強硬な口調で決めつけてくれました。
わたしは、反論するのも馬鹿馬鹿しかったので、にやにや笑いを浮かべて適当にいなしましたが、もちろん、内心では舌を出していました。
いくらいい大学出ていても、知性がないヤツって存在するんだな、と心中で頷きながら。