新・葬送ビジネス「アイルランドの土」販売

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081162160134.html

[ダブリン 27日 ロイター] アイルランドの起業家2人組が、「母国の土に骨を埋めたい」アイルランドアメリカ人を相手に土を販売するビジネスをはじめた。

「オフィシャル・アイリッシュ・ダート」(www.officialirishdirt.com)のパット・バーク(27)とアラン・ジェンキンズ(65)は、「公式」アイルランドの土の第一便100万ドル(およそ1億1700万円)相当をニューヨークに運んだところだ。この土は0.75ポンドあたり15ドル(1762円)で販売される。彼らは、この先も次々と土が運ばれることになることを確信している。

「需要はただただ驚異的です」と、アイルランド・ティパラリー地区の農学者バークは言う。
「うまくいくとはわかっていましたが、これほどまでの熱烈な反響があるとは夢にも思いませんでした」

バークは土が米国の厳しい輸入規制を通るよう、土の処理法に関する特許を取得した。ふたりは「世界最大の小売業者のひとつ」と、米国のショッピング・チャンネルと話し合いをしているところだという。
「世界規模に広げることを検討中です」と、彼は言う。

いまから1世紀以上前、大勢のアイルランド人が飢饉、貧困、失業のためにやむを得ず祖国を捨てた。その大部分は北アメリカに住みつき、現在ではおよそ4000万人のアメリカ人が、自分のルーツはアイルランドにあると主張している。

全世界では、アイルランド移民の数は推定7000万人以上と言われている。

ジェンキンズがフロリダでアイルランド協会の会合に出席して、このビジネスを思いついたそうだ。
「彼はアイルランド人2世、3世、4世たちが、棺の上にひとにぎりのアイルランドの土を置きたがっているのを発見しました」

バークとジェンキンズは共に英国が統治する北アイルランドのアントリム州出身だ。今年に入ってからディナーパーティーでの偶然の会話がきっかけとなって共同事業を立ち上げ、先月南アイルランドに土処理工場を開設した。

土を合衆国に輸出するには、口蹄疫などの病気や虫などが完全に除去されていなければならない。

すでに、とあるニューヨークの高齢ビジネスマンからの注文が入っている。彼は西アイルランド出身で、10万ドル分の土を注文した。
「彼は永眠の地の候補地をふたつ考えていましたが、いま完全にアイルランドの土に埋まることに決めました……マンハッタンで」

「オフィシャル・アイリッシュ・ダート」は、収益の80パーセントをアイルランドおよび合衆国のチャリティに寄付することを約束している。

最後の一行が、いい。
金儲け一辺倒でないあたりが。