ひらく、か、とじる、か。

いろいろなことが言われてはいるけど、外国の事情よく知らない。でも、現代日本社会の文化風土は、とことんオープンな情報公開には向かないようにできているのではないか、と、思う。
なんの話しかって、あれ、ネットとかサイバースペースでのコミュニケーションのあり方について、なんだけど、なんでこんなことをいいはじめたかというと、わたしの過去の経験からいっても、ネットで自分の言説を公表する人で、きちんと「不特定多数の読者」というものをきちんとイメージできる人がほとんどいないらしんだよね。

たいていは、自分同じような価値観を持った読者を対象としていたり、あるいは、自分の言動に対して、ボジティブな反応を返してきた人のみを相手にすることを前提とする。
そして、せいぜい数人単位の顔見知りと安定した関係さえ築いてしまうことに成功してしまえば、こんどはその閉じた輪からでようとしない……。
あんまり使い古されたいいまわしは使いたくはないのだが、こういう態度というのは、ようするにムラ社会的なミニマムな安定をネット上に再現しようとしているわけで、安定はしているかもしれないが、極めて自閉的でもある。
だから、SNSがはやるというのもよくわかるのだか……そういうのもいちがいに悪いとはいえないけど……そういう使い方って、ネットというメディアの強みを、半分自主的に放棄しているようなもので、非常にもったいないとは、思うね。対立や摩擦を前提としなければなら成り立たない類コミュニケーションもあると思うし、そういうのを乗り越えた所でしか成立しない関係というのも、現にあるのだが、心地よく閉じた場所からは、そういうものはでてこないのだが……。