狼と香辛料 XIV
- 作者: 支倉凍砂,文倉十
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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いつの間にやら少年修道士が同道したりしているけど、もうロレンスとホロの関係はある意味ではすっかり安定しているからなぁ……。
そういう意味では、初期にあったある種の緊張感はもう存在しなていわけで……で、ここ数巻は、「どうやって穏やかな別離を迎えるか」ってのが焦点になってきている。
今回は、以前知り合った修道女が転がり込んできたり、肉達磨な古本屋に因縁あさからぬ商会との仲介を頼まれたり、で、ロレンスが例によってうじうじと悩んで(商売的には「おいしい」のだが、その仲介をするとなると、予定よりずっとはやくホロと別れなければならない)、いろいろな人々の助言を受けて打開策を見出だすまで、といった内容となっている。
以前のエピソードの続きというか、毛皮取引を現金のみに限定してしまった都市で、現金がどっと毛皮に流れ込んでしまい、貨幣不足になって他の生活物資が高騰する……とかいう経済ネタがでてきたり、ロレンスが思いついた打開策が手形を利用した実質(かなりえげつない)追い込みの一種だったり……と、「商人」らしい一面もしっかりとフォローして、以前に来た都市が舞台になっているから旧知の人物も結構登場したりして……と、この物語世界も、いろいろな意味でどっしりと安定感が増して来ている。
ヨツイの場所とか、ホロの終点はもうかなり見えてきているのだけど、流石に今度はもう、引き延ばしはないだろうなぁ……。
テレビの第二シリーズも、出来そのものはともかく、第一シリーズのときほどはインパクトなかったし、話題にもならなかったから、第三シーズンはないと思うし……。
作品的にも、もう、ぼちぼち潮時だと思うんだよね、これ。