#184

ポケットを叩いたらポケットが出てきて、そのポケットを叩いたらまたポケットが出てくる。ポケットの連鎖がしばらく続いた結果、その宇宙はポケットで満ちあふれることとなった。
そのうち、あるポケットが自らのうちに存在する空虚を感じ、いてもたってもいられなくなって自分の中に際限なくポケットを収納しはじめる。やがてそのポケットは質量臨海点に達してブラックホールと化し、満ちあふれたポケットすべてごと宇宙そのものを一点に集約しはじめ、超巨大質量となったその一点はあるとき反転して爆発し、その宇宙の新しいサイクルがはじまった。
これが、ビッグバンの真相である。