修羅雪姫

修羅雪姫 [DVD]

修羅雪姫 [DVD]

刑務所内で女囚が出産するのがファースト・シーン。
次に、雪が降る中、唐傘さしたヒロインが人力車に乗ったお偉いさんを、五、六人の取り巻きともども殺害。
ここで文語調のナレーションが入り、時代が「明治二十年」うんたらの説明。ようは、文明開化になったはいいけど、貧富の差が広がって民衆の中には不満が広がっていた、って内容。
ヒロイン=修羅雪姫が、貧民窟みたいなところに登場。そこで、なんか全国的な組織の頭目みたいな人に、「人を探して欲しい」と依頼。
パリッとした白づくめの洋服の若い男が、どうやら政府のスパイに間違えられたらしく、いきなり出てきたいかにもやられキャラ然とした三人の男たちと女一人に、妻子の前で「赴任してきた学校の教師だ」と説明するも、惨殺。白い服を真っ赤に染めて、「理不尽だ」といいながら息絶える。
この時の「妻」が、冒頭で出産をしていたヒロインの母で、この後、三人の男たちにいろいろされたりなんだりあった、というのが、後に説明される。
ここで修羅雪姫のお師匠さんらしい和尚さん(育ての親?)が出てきたり、修羅雪姫のおっかさんの過去が挿入されたりの回想モードにはいる。
ここで、おっかさんの事情とか修羅雪姫の出生の秘密とか、お師匠さんの無茶苦茶な特訓とか(八才の子供を樽の中にいれて坂道を転がす! 意味ねー!)とかが描かれる。
仇の一人がみつかった、との手紙を得たヒロインが、さっそくいってみると、病身&博打で身を持ち崩していた。しかも、仇の娘は、身売りしてまでして、その仇に尽くしている……ん、だけど、初志貫徹であっさり仇を殺すヒロイン。
二人目の仇は、すでに死亡。
その確認と前後して、怪しげな記者が近づいてきて、取り入って、結局は「修羅雪姫」を新聞小説として書いて出版する。
その物語をみて、真偽を確かめるために雑誌記者を来訪。「仇の」なんのとうだうだしている間に、「虚偽の物語を流布して世間を騒がせた」とかいう罪状で巡査につれ去られる記者。権力に取り入った仇の一人の、女が待ち構えていて、記者を激しい拷問にかける。
その場に居合わせた最初の仇の娘は、複雑な心中ながらも、そのことをヒロインに知らせる。
単身で殴り込みをかけ、警官を何十人もまとめてぶち殺して行くヒロイン(いいのかっ!)。
ようやく仇の女を追い詰めたと思ったら、自分で首をくくった後だった。が、ヒロインは、その死体にも一太刀を加える。
ここで、「仇討ちは終わった」とかいっていたのだが、やっぱりどんでん返しがあって、「死んだと思っていた仇の一人が生きていた」。で、わざわざ、その人が記者のところまで挨拶にきて、「修羅雪の物語は終わった」とか、「これからは富国強兵の世の中だ」とか、ごたくを並べて帰っていく。武器商人として、政府に取り入っているらしい。
(……そんなこと、わざわざ長々と説明する必要もないだろうに……)
その後、記者を訪ねてきたヒロインに、記者は「死んだと思っていた仇は、生きている」、しかも、「それは、自分の父親だ」、「死んでいると思ったから、修羅雪姫の物語が書けた」と告白。
最後の仇を求めて、今度は鹿鳴館(これが、セットも描写も実にチープでね。この映画、和服はぱりっとして格好いいけど、洋服の着こなしはだめだめだ)に殴り込むヒロイン。
さすがに要人外国人を惨殺する訳にもいかず、仇の潜む部屋まで潜伏して行く。
首尾よく仇をみつけ、斬りつけたところに、記者登場。トドメを刺そうとしたところに、「待ってくれ」と制止。その仇は、影武者だった。
さらに、最後の仇を追い詰めようとするヒロインと記者。
別々に探していると、記者の方が仇を発見。日本刀と持った記者と拳銃を持った記者との睨み合いに。
「おれのことはいい」とかいいながら、仇(=自分の父親)にむかって行く記者。銃弾を何発もくらいながらも、抱きついて身動きを封じる。
ためらいの後、記者ごと仇を日本刀で刺し貫くヒロイン。その後、「因果応報!」と叫びながら、しっかりとどめも刺す。
手負いのまま帰ると、そこに待っていたのは、仇の娘。
で、ヒロインの方も、仇を討たれて、終了。
結局あれだな、「憎しみの連鎖はなにもうまない」というあたりに結論持っていきがちなんだよな。この手の復讐譚、って。
かなり古い映画だし、詳細を知らない人の方が多いだろうから、ネタバレを承知でかなり細かい部分までストーリーを解説してみた訳だが、原作が劇画だからか、妙におおげさだったり突っ込みどころが満載だったりする。そうした細かいところは抜きにして、若い女が大活躍するアクションもの、とみれば、かなり上出来の部類か。さすがに、殺陣とかはかなり決まっていたし。
そんでもって、梶芽衣子萌え。