超自宅警備少女ちのり 2

想像していたよりか、ずっとしっかりと作ってあるな……と思ったシリーズ二冊目。
前作から登場の設定やキャラクターを過不足なく使い倒して、なおかつ、新登場のキャラとかもしっかりと絡めてスムーズに話しを進めていく手腕は、かなりきっちりとしたもの。
前作と同じでちのりちゃんの言動とかはしっかりとネタ化してるけどど、そうした小出しの一発ネタ的なギャグに頼らず、しっかりとした面白さの軸を確保しているのは、流石。
自宅警備員不登校留年生のちのりを登校させようと周囲が苦労する前半部と、先生とかボランティアのシスターとかの意外な(と、とりあえずいっておこう。その実、読んでいる途中で「ああ、このキャラは後半、態度を逆転させそうだな」と薄々予想がつくわかりやすい書き方をしているのだが)活躍、邪神を崇めて復活を願う人たちとの闘争になだれ込む後半部、と、意外にエンタメのセオリー通りに話しが進んでいく。
ま、もともと地はベタな話しではあるし、地底人の次の敵が太古の邪心であってもいっこうに構わない。
今後もレギュラーになりそうな級友のユモケンとか田中由美、鏑木先生なんかが、役に立つのか立たないのか微妙なポジションも含めていいキャラになっていると思う。