真っ黒焦げの凶暴なウサギ

今の時点では、まだ「ダークヒーロー」にはなりきっていない変身ヒーロー物というところか? ちょっとオカルト入っている変身アイテムをひょんなことから主人公が手に入れて……というあたりは、まあ、常道といえば常道の展開。
ただ、変身アイテムがどうやら「呪われたアイテム」らいしい、ということとか、主人公の過去とかに多少の捻りがあって、この辺の雰囲気で好き嫌いが分かれそうな気は、する。
「あとがき」で著者自身が「生真面目」といっているように、どうにも、明るく楽しい展開にはなりそうもないくらいに、いろいろな部分が屈折している。ヒロインの設定や性格づけとかさ。
ただ……一番ネックになりそうなのは、そういう暗さではなくて、何人か登場する敵側キャラの性格付けがあまりにもステレオタイプで新鮮味がないし、従ってあまり魅力的なキャラがいない……ということではないのかな。
特に、今回の使い捨てキャラのクマとかさ、あそこまで分かりやすい悪役も、今ではかえって珍しい。最初、ギャグでやっているのかと思った。
こういうところは、もうちょっと作り込んでほしかったな。