#8 自愛と臆病と

紫の七五三騒動と、家出が実家にばれて、さて、どうしよう……という展開。
前回、」前々回の異様なテンションに慣れていると、こういう「ストーリーを進めるために必然的に入れています」的なエピソードは、少し白けるな。
いや、紫は、今回のように、洋服よりも和服の方が似合うと思うけど。
しかし、この作品、新大久保界隈をしっかり描こうとしている。十年以上前のことになるが、職場があの近くだったもので、ホテル街とかの風景もよく知っているのだよ、こっちは。今回の神社は、中央線の駅と山手線の駅の間にあるあそこがモデルかな……と推測がつくくらいには。たしかに、あの近辺だと花園神社まで歩いていける。
しかし、追っ手の男たちはだらけきっていて、あまりプロって感じはしないな。普段は別の仕事をしているのが、今回は口の硬さとかの理由で急遽抜擢された……ってところか? 動揺しているところに不意を突かれたとはいえ、そんなの二人にいいようにどつかれていた主人公も、かなり情けない。誰かに拳銃突きつけていつもと変わらない口調で電話に出ている紅香さんとか交代もしないで二十四時間体制で張り付いている弥生さんのが、よっぽどプロっぽい。
とりあえず、物語的にはこっから加速していくのだろうな。

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