ミナミノミナミノ

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

ミナミノミナミノ (電撃文庫)

……これ、「二巻に続く」とありながら、2005年発行で今日に至るまで、続きが出ていないわけか……。
まあ、確かに、素材はいいのに料理のしかたがイマイチぱっとしない、という気はするけどなぁ。悪い意味で地味、というか、華がない、というか……。
後書きに、アニメ化した「イリヤ」の二匹目の泥鰌を目指した、みたいなことが冗談混じりに書いてあったが、半分くらいは本気だろう。
明らかに沖縄方面をモデルにした「南の島」の風俗も、出てくる人々もそれなりに魅力的ではあるものの、今一つ、読者をぐっと引きつける決定打に欠ける。
途中、何カ所かある、「浮遊」のシーンは、なかなかに優れた描写だとは思うけどね。
続きが出るのか出ないのかよくわからないけど、この一冊だと、「これから面白くなるのかも知れないけどね……」と、言葉を濁したくなる程度のクオリティ。