草思社破たんの背景 増える新刊、販売は低迷

http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20080208bk02.htm

出版業界に詳しい出版ニュース社の清田義昭代表は、中堅出版社ながら、斬新な切り口で数々のベストセラーを出した同社の経営破たんに衝撃を受けた。年明け早々の出来事に「業界の問題として人ごとではない」と警鐘を鳴らす。

 民事再生法の適用申請時には、負債総額22億円、うち有利子負債が19億円。回転資金を確保するため、借金を重ねた末の決断だった。
(中略)
最盛期の97年10月期に約39億円の売り上げを計上した同社の経営が苦しくなったのは2004年以降。同社関係者は「ベストセラーが出なくなったのがすべて」と説明する。回転資金に困り始めた同社は「苦しくなった分を補おうと、ベストセラーを狙ってさらに発行点数、発行部数を増やす」という“ベストセラー症候群”に陥った。結果的には、部数を増やした分、すべてが返品率の増加にはね返る形になった。返品率の危険水域はおよそ4割と言われるが、同社は4年連続で4割を上回った。

 さらに、単行本頼みの経営で、安定感も欠いていた。その中、年2回刊行の徳大寺有恒著の「間違いだらけのクルマ選び」シリーズは20万部前後の安定収入源だったが、作者の体力的な理由から、06年が最終版となり、会社の体力を削っていった。

……うーん。
この会社の場合、決して、極端に売れゆきが悪いわけではなくて、「最盛期に及ばない状態が続いた」から、負債が膨らんでいった、ということなのかなぁ……。
放漫経営といっちゃうと語弊があるのかもしれないけど、取り次ぎも含めて見通しが甘かったのは確からしい。
出版は、今後どんどん「少部数出版を数多く」という方向性にいくのかなぁ……。
そうすると、資本力がある大企業が有利になって、弱小が潰れていく……という方向になって、個人的には面白くないと思ってしまうんだが……。
個人的な容貌をいっておくと、流通も含めて、ニッチな出版物でもきちんとペイできる体制を整えて欲しいなぁ……。