Danza

Danza [ダンツァ] 限定版

Danza [ダンツァ] 限定版

最近では個人的安全牌扱いなこの作家さん。っても、あんまり読んでないけどな。
作品によって画風を結構代えている。他の作品ではもう少しリアル寄りいうか、キャラの目が小さかったりするのだが、この本に収録されている作品群では、目がかなり大きめにディフォルメされ、頭身も低め。いわゆる、「マンガっぽい」絵柄が採用されている。その割に、お話自体は結構地味で「アリガチ」なので、そのギャップを素直に受け入れられるかどうか……は、読む人によって評価が分かれるでしょう。「微妙な表情の変化を表現する」という意味で、こういう顔のディフォルメもアリだ……とは、個人的には思いますけど。
「長靴」、「湖の記憶」、「箱庭」、「ジェテリーアとカラビニエーリ」、「煙」、「パートナー」の六作を収録した短編集。
それぞれ、舞台も登場人物も重なることがないのだけど、強いていえば、「肉親同士の関係」を主題にした作品が多い。あ、「ジェテリーアとカラビニエーリ」、「パートナー」の二作は肉親ではないか。
叔父と甥だったり、義父と義息子だったり、親と子と祖父だったり、兄弟だったり、職場での先輩後輩、あるいは同僚だったりする「男同士の関係」に関するお話し……その、誤解と理解、距離が近づいたり、近づいたと思ったのがその実、あまり変わらなかったり……といった「微妙さ」をまとめた短編集。
十分、面白かったです。