狼と香辛料 VI

狼と香辛料 (6) (電撃文庫)

狼と香辛料 (6) (電撃文庫)

一冊丸ごと、「閑話休題」やっちゃったな、という感じの一冊。
まあ、このシリーズも安定して売れているようだし、一冊くらいこんな話しをする余裕もあるのか。それ以上に、もうすぐTVアニメの放映が始まるこの時期に、シリーズを収束させるわけにはいかない、という商売上の事情もあるのだろうな。
というか……これ以上、シリーズを引きのばすのなら、必須のエピソードではある。本書が水増しと評価されるかどうかは、続刊でこのシリーズをどれだけ盛り上げられるかにかかる……カタチに、なるでしょう。
続刊分が十分に面白かった場合は、重要な分岐点となる巻と解釈されるだろうし、そうでなかった場合は、惨めな引き延ばしが開始された巻、ということになる。
その辺は、以降の展開を観てみないと、今の時点ではなんとも評価できない。
とにかく、事件らしい事件が起こらず、ほんの少しの余興の謎出しと、それに人間関係の変化がちょこちょこ。
個人的には、このシリーズは商売に付随する騙し騙されの取引が面白いと思うのだが、こっちの要素はほとんどなかったな、今回。