映画制作に「成功報酬」導入 現場に利益還元

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/92341/

 独立系映画企画会社のミコット・エンド・バサラ(東京都渋谷区)が、制作現場にも利益を還元する「成功報酬システム」を導入し、邦画業界の変革に一石を投じている。20日公開されるアニメ映画「エクスマキナ」はその方式を使った映画の一つ。同社は、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル2」などを手がけたハリウッド監督のジョン・ウー氏と手を組んで、共同プロデュースした。

 「国内の優秀な脚本家やアニメーターが、経済的に恵まれていない現状を何とか打破したかった」

 ミコットの三宅澄二社長は、優秀なクリエーターたちが海外に流出する現状を目の当たりにし、成功報酬システムを導入した。

 ミコットの成功報酬システムの仕組みはこうだ。タカラトミーセガなど大株主から約5億6000万円という手厚い資本金を集めた同社が、企画から配給、キャラクターグッズやDVDの販売まで全体的に映画ビジネスの主導権を握る。

 まず、グッズやDVDの販売などで、関連する企業から「最低保証額」の契約をとりつけ、トータルの収益を見積もる。利益の15%から20%を成功報酬として、脚本家やシナリオライターなどのクリエーターや制作会社など現場に還元する契約を結ぶ。

 これまで、邦画の制作は、脚本家やシナリオライターたちが、劇場を持つ大手映画会社に企画を持ち込み、採用された場合、制作費の予算を提示される。劇場への観客動員やDVD販売が成功しても、現場が受け取る報酬は、制作費の予算額と実際にかかった制作費の差額にとどまる。

 最近は、テレビ局や広告会社などの出資者を巻き込んだ「製作委員会方式」が主流になっているが、この場合も、現場が受け取る報酬の仕組みはほぼ同じ。ミコットは、製作委員会方式の場合も、幹事社に就任し、成功報酬制度の導入を働きかけている。

あー。
実は、こういうシステム、かなり以前からあって……でも、どちらかというと、従来は事前に十分な製作資金を用意できなかったプロデューサー側が、スタッフやキャストのギャラを「後払い」にする苦肉の策として用いられることのが、圧倒的に多かった。
でもこの例は、そういう消極的な方策ではなく、もっと「攻め」の姿勢が感じられますね。
3D映画版の「アップルシード」は実は未見なのだが、意外に評判がいいようだし、今度出来を確認してみるかな……。

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