いまどきの取次って、こうなんだ

http://www.hanmoto.com/diary/2007/07/25/348/

毎年出版社側は一社一〜二名、各大手取次からひとりないし数名出席している。ことしも出版社側は例年通りのメンバーだったし私もいつも通り出席するつもりだったのだが、事前に某大手取次がごね始めた。
「あんな『テロ死/戦争死』のような本を出版している版元と同席する飲み会は、出席を見合わせたい」と欠席の意向を示したというのである。
あんな本を出している版元とは、私のところの第三書館である。
この本は一昨年秋に刊行された時、この版元日誌にも書いたが、大手取次の何社かに委託拒否の扱いを受けた。イラク戦争下で死んだり殺されたりした人たちのドキュメンタリ写真集で、板垣雄三東大名誉教授や酒井啓子東京外大教授のコメントをつけて、イラク戦争の現状に疑義を呈した本である。パブラインによれば紀伊国屋でも100冊近く売れていて、まず小社としてはフツーに動いているほうだ。

……え?
「売り上げが悪いから」とかいう理由じゃなくって、「書名が不謹慎だから」って理由で嫌われるの? わたし、この本のことは知らないけど、結構真面目な内容だと推察するけど……。
こういうのがデフォになっている、っていうのは、出版業界全般が変な方向にいっているってことなのかなぁ……。
そうだとしたら、かなりやばいんじゃないだろうか?
日本のマスメディアはまだまだ一極集中型だから、一度変な方向に行くと、その偏重を是正するのにも、かなりのリソースを覚悟しなけりゃならないし……。