芸術と脳科学の対話

芸術と脳科学の対話―バルテュスとゼキによる本質的なものの探求

芸術と脳科学の対話―バルテュスとゼキによる本質的なものの探求

画家のバルテュスと脳学者のセミール・ゼキの対談集。このバルテュスという画家さんの応答が、実にいい味を出している。何かというと、「芸術」という概念、資本主義に取り込まれた美術界への苦言などが口をついて出る。また、ミセール・ゼキさんが、何かというと「脳の機能」に話しを修練しようとするのだが、それに対して言を左右にして話しをはぐらかそうとする。キュビズムシュールレアリズムに対して辛辣な評言をぽんぽん出すのも、いい。こういうのは、「同時代人」としてムーブメントや画家たちと対等以上につき合ってきた人じゃなくっちゃ、出来ない態度だ。読み終わった後、Googleで検索してみたら……ピエール・クロソウスキーの、三歳年下の弟さんかよ……。
なるほど、道理で。