横尾忠則さん、商業デザイン“廃業宣言”

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000369142.shtml

 「世界のYOKOO」として活躍する西脇市出身の美術家・横尾忠則さん(70)が、「デザイン廃業」を宣言し、自身の創作活動の礎となった商業デザインから“引退”することが五日、分かった。神戸新聞社の取材に対し、「江戸時代でいう隠居で、より自由に生きたいということ。今後は好きなアート活動に専念したい」と話している。(篠原佳也)

 横尾さんは一九五六年にグラフィックデザイナーとして神戸新聞社に入社。その後、フリーとなり、ポップな作品で注目を集めた。これまで「パリ青年ビエンナーレ展版画部門グランプリ」(六九年)など数多くの賞を受けたほか、世界各地で個展を開催。国際的評価を確立している。

 八一年の「画家宣言」直後はデザインの仕事が減ったが、ジャンルに縛られぬ活躍に、最近は仕事の依頼が増えていたという。昨年は日本文化デザイン大賞も受けた。

 横尾さんは自らのブログでも「デザインの仕事が二、三残っているが、あとは好きなことだけをやればいい」と述べており、夏には「隠居宣言」(平凡新書)を刊行予定という。

 「デザイン廃業宣言」については「企業からの制約や条件に縛られたデザインはもう受けない。アート活動を最優先したい思いを表した」と説明している。

 神戸芸術工科大の山崎均教授(49)=美術館学=は「商業から離れ、純粋にアートを追究するのだろう。デザイン界にとって損失ではあるが、後進には大きな刺激にもなるのでは」と話している。

もう十分働いてきた方だし、実績も、腐るほどあるわけだから、好きに「余生」とやらを過ごされてもいいのではないか……と、思った。
よほどのコトがない限り、この方の仕事に対する世間的な評価はひっくり返らないと思うし。