ナノチューブを大量生産、産業技術総合研が技術開発

 次世代の新素材として注目される超微細の炭素素材「カーボンナノチューブ」を従来の数百分の1のコストで大量生産できる基礎的な技術を、産業技術総合研究所ナノカーボン研究センター(茨城県つくば市)が開発した。

 化学メーカーの日本ゼオン(東京都千代田区)と協力して、2010年までに大量生産を実現し、寿命の長い高性能電池の電極などに応用する。

 同センター研究チームの畠賢治チーム長らは、750度に熱したガス状の炭素を、金属基板に吹き付けてナノチューブを合成。基板に使う合金や反応中の炉内の水分濃度を工夫することで、A4版の基板の上に長さ0・5ミリのカーボンナノチューブを99・98%という高純度で作ることに成功した。コストは1グラム数百円以下に抑えられ、産業応用に道が開けるという。

 カーボンナノチューブは、薄型ディスプレーや半導体素子などへの応用が期待されながらも、製造コストが高いうえ、均質に量産する手法もなく、実用化が遅れていた。畠チーム長は「大量生産が可能になれば、新たな用途開発にも弾みがつく」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070210i212.htm

世の中、放置しておいても勝手に進んでいくのね……。
この手の技術は、市場価値がありさえすれば、ほんとにあっという間に成熟するから油断できない。