逃亡日記
「失踪日記」の、ええと、何匹目のドジョウだ?
花輪さんの「刑務所の中」の時も思ったけど、それまで地味に展開していた「本領の仕事」はまったく評価されないで、こういう「特別な事例」だけがポンとブレイクする、というのも、本人にしてみればかなり複雑な心境なんじゃないだろうか?
この本は、ページほとんどがインタビューで吾妻さん自身も「マンガの部分だけ立ち読みしてくれれば」みたいなことをいっているけど、そのインタビューも昔から読んでいる読者にとってはそれなりに読み甲斐がある。
「ああ。あの連載をやっていた時は、そんなことを考えてやっている時期だったのか」と納得できるというか、この本のインタビュー、吾妻さんの生涯、「薄く、浅く」ではあっても、結構網羅的に質問しているし、吾妻さんも特に構えることなく質問に答えているから。
あと、「アシスタントA」氏が奥さんだったり、娘さんがイラストレターになっていたりと、(案外周知の情報なのかも知れないが)わたしにとっては初耳の情報が確認できたのも、よかった。
あれだけアル中になったり失踪したりしても、割合に仲が良さそうだ。というか、家庭は崩壊していないんだな、と。
そうか……奥さんは関西人でつっこみ体質の人なのか……。