カウボーイハットの保安官、ラゴスにあらわる

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081159318036.html

[ラゴス 26日 ロイター] ナイジェリア最大の都市ラゴスでは、法廷執行官のあいだに汚職がはびこっているのが問題になっていた。そこで市当局は、この役職をカウボーイハットと手錠を装備したアメリカ式の保安官に入れ替えた。

オーガスティン・アデチュラ・アラビ裁判官は、ラゴスの法廷執行官は財産にまつわる法廷の裁定を執り行うのが本来の役目だったのが、ゆすりや恐喝をおこなう不正な商売に成り下がってしまったと語った。

26日の『ガーディアン』紙で、彼は「これまで、この種の法廷役人のモラルや教育的バックグラウンドを誰も気にしていなかった」と述べている。
「長きにわたって収賄汚職が広がってきました。執行部門の職務その他の機能は、誰がより多く賄賂を握らせるかの問題であるかのようなところまで退化してしまったのです」

彼は、まだ争議中の事件に関して法廷の管理下に置かれていた豪華バスの車両を売りに出していた執行官を、一例として挙げた。

月曜の就任式には、30人の新卒男女が黒いズボン、灰色のシャツ、黄色いバッジにカウボーイハットの制服姿で並んだ。ベルトの上には警棒と手錠が光っていた。

保安官は執行官と同じ職務を行う。

アラビ裁判官によれば、新人たちは「高潔、礼儀、品位の必要性」についてレクチャーを受けたそうだ。 また、彼らは大学を出ているので、法廷手続きをよく理解するだろうと期待されている。

さて、舞台はナイジェリアである。ナイジェリア、といえば、過去はイギリスとフランスに分割統治されていたことがある。
(だから、「なんで、カウボーイスタイルなの?」と、思わないでもない。
向こうでは、そんなに西部劇が人気だったのだろうか?)
そんなことよりなにより、わたしにとって「ナイジェリア」といえば、カミュの「異邦人」の舞台となった国、なのである。

異邦人 (新潮文庫)

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で、この記事を読んだ時、真っ先に思い浮かんだのは、若き日のクリント・イーストウッドジュリアーノ・ジェンマ演じる無ルソーが、がマカロニ・ウェスタン風の舞台で並み居るアラブ人を棺桶から取り出したマシンガンで一掃し、その後、黒幕の保安官と対峙し、「太陽がまぶしかったからさ」と言い捨てて、早撃ち合戦をする、というストーリーをとっさに連想しましたよ。
もちろん、本当の「異邦人」は、そんな物語ではありません。