ノベルタイプのゲームについて。

昨年末あたりから、ない時間をなんとか工面して、ノベルタイプのゲームをチェックしている。といっても、わたしは生粋のマニアックなゲーマーではないので、あくまで、既にある程度の認知度を獲得した、いわば安全パイ的な作品にしか手を出していないのだが、今の時点までで、「これは面白い」と思ったのは、二作品ばかり。
Fate/stay night」
公式: http://www.typemoon.com/fate/index.html
と、
ひぐらしのなく頃に
公式: http://07th-expansion.net/Soft/Higurasi.htm
システム的にいえば、前者はものすごーくオーソドックスなノベルゲーム。
後者は、なんと「選択肢が出ない」という、ゲームとしてはもの凄い「仕様」をしていて、極端に「ゲーム性」を切り捨てている。しかも、「いまだ完結してない!」
両者に共通している特性はみっつ。
1.ユーザーにテキスト(物語)を読ませる、ということを第一義に考えている。
2.時に、あざといまでの派手な効果音やヴィジュアル・エフェクトなどを動員して、「1」の特性を極めようとしている。
3.長い。ひたすら、長い。半端なテキスト量ではない。本当に忙しい人は、「どんなに面白そうだ」と思っても、手を出しちゃダメ! 身の破滅です。
面白いといえば、どちらも滅法面白かったわけだが、文章的にいうと、「2」「3」の特性がなければとても読めたもんじゃない質と量だよな、とかは、思う。
選択肢を排除して、とことん、ゲーム性を排除したようにも見える「ひぐらし」についても、やはりあれは、さまざまなエフェクトを付加することで初めて成立する作品であって、その辺、やはり「テキスト・オンリー」で勝負する「小説」とは、方法論が根本的な部分で異なる。
実際、「Fate」の中の人が書いた「空の境界」という小説、以前に読んだけど、冗長でさして面白いとも思わなかったしな。むしろ、「Fate」をプレイして、「ああ。この人はこういうのやりたかったのか」と腑に落ちた感じなんですが。
この二作品については、「作品そのもの」よりも、「作品を取り巻く環境や状況」のほうについて、いろいろと興味深い考察の材料がある感じです。

空の境界 上
空の境界 上
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.15
奈須 きのこ
講談社 (2004.6)
通常2〜3日以内に発送します。
空の境界 下
空の境界 下
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.15
奈須 きのこ
講談社 (2004.6)
通常2〜3日以内に発送します。