ダイ・ハード4.0

昨夜、地上波で放映されていたので観てみる。思えば、このシリーズとの付き合いも長いもんだ。1は評判が良かったんで後追いの形でビデオで(より正確にいうのなら、VHSで)観て、2、3は劇場で観て、何故かこの「4.0」は見逃していた。
シリーズ中では、低予算ながらも「クリスマスの夜、ビルの中」という限定された時空間の中で練り込んだシナリオの1が、やはり一番面白く、この4.0はその次くらいに面白い。
2、3も、ハリウッド制作のエンタメとしてはそこそこ面白い方だとは思うんだけど、2はマクレーン刑事の主人公補正が強すぎて危機感に欠け、ニューヨーク中を駆け回る3はシリーズ中で一番シナリオが放漫な印象を受ける。てか、「これ別にダイ・ハードでなくてもいだろ」って感じ。
いや、シリーズ物が長期間するにしたがって劣化していくのは、これだけに限らないのだけど。
十二年、と、少し期間を空けて製作されたのがいい冷却期間になったのか、4.0は、「ダイ・ハードらしさ」と「今、リメイクされる必然性=新しい要素」がちょうどいい具合に混合された結果になった、と、思う。
ネットを利用した大掛かりな犯罪に、ちょっとへたれ気味のハッカー青年をお供にして立ち向かうマクレーン刑事、という構図は、確かに07年らしい趣向だし、成功している。
犯罪の規模もマクレーン刑事が移動する空間も大きく広がり、アクションの方もお馴染みのカーチェイスやら銃撃戦やら格闘戦やらは当然のこと、ヘリを落とすわトレーラーで戦闘機と喧嘩するわで見せ場もたっぷり。それでいて、あいまいまのやり取りで「マクレーンらしさ」もしっかり印象付けているのだから、続編としては十分に合格点。
結構、穴とうかツッコミどころは多いんだけど、そうした大味な部分も引っくるめて実に懐かしい感じのハリウッド映画だった。