オルキヌス

「ニョル子さん」と同じくGA文庫大賞奨励賞受賞……なのだが、こっちはいちいろな点で中途半端に感じた。
人魚とかケンタウルスとかがいる世界に、口先だけでトラブルを解決する「新米調停者」として赴任した少女が……という設定なのだが……設定と展開が有効活用されていない、というか……まずは、「なんでこの設定で、えんえん漫才やっているの?」と、いいたい。
設定だけ取り出してみれば、期待されるのは主人公の成長物語。
でも、蓋を開けてみれば、えんえんと読まされるのはキャラクター同士の(あまり面白いとも思えない)掛け合い漫才。
作中のトラブルも、漫才をやって揚げ足を取り合っているうちにいつの間にか解決してしまう……という安直さ。
なぜか「着ぐるみ好きの美少女」と無駄な設定がなされている、主人公のライバルキャラも、本当、「出てくるだけ」で物語の中でなんの役割も果たしていないし……。
まあ、これと「ニョル子さん」読んで、GA大賞の審査員は、どこかセンス古めの緩いノリツッコミが好きなのだな、ということは、了解した。