ボディ・アンド・ソウル
- 作者: 古川日出男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: 文庫
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ただし、これは「小説」であって「エッセイ」ではない。ちゃんと、というべきか、しっかり、「小説=フィクション」でしか、この作品が成立しない仕掛が最初から、というか、タイトルからすでに施されている。周到に。
登場人物は、語り手である作家本人と、いかにも実在しています風な編集者数名、五歳年上の友人、小池さん、それに「僕の妻」チエ。
ただ……そうした、表面的な筋書きは、この作品の場合、あまり重要ではないのかも知れない。
ただただ、文体のノリが面白い。
歌うように読め、というか、演奏するつもりで読め、というべきか。
とにかく、音楽的であり、意味よりも先に、メロディやテンポなど、音楽的な「面白さ」が頭に飛び込んできて、気づくとページをめくっている、という具合。
巻末の、いしいしんじの「解説」も、いい。