ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。

これは、ストーリーのラインは非常にアリガチだったけど、会話とか文章に勢いがあって、面白かった。
読後、「新人ではないな」と思いつつ、著者の方のプロフィールを確認したら、なるほど、エロゲのシナリオ畑の人か。
道理で、手慣れているわけだ。
数日前に読んだ「零と羊飼い」もシナリオの人だったし、新規レーベル作る時には、とりあえず、そういう所から人を引っ張ってくる……というのは、作戦としては、悪くないかも知れない。
で、肝心の内容ですが……ぶっちゃけ、ツンデレ巫女です。あと、超鈍感な主人公。ストーリーの大半は、この要素で出来ている。
はい。絵に描いたラブコメですね。
真っ先に書いたように、文章には勢いがあって面白いし、そういうジャンルが好きな人にはオススメ。
わたし的には、「面白いことは面白いんだけど……描かれている人間関係が超限定されていて、その閉塞感がちょっと……」という不満も、少しある。
でもまあ、そういうジャンルであるわけだしなぁ……その辺は、文句をいうだけ、野暮という気もする。