大奥 3

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

大奥 第3巻 (ジェッツコミックス)

相変わらず、安定している。
「残日録」の続き、つまり、家光時代の大奥の内情と「男性の数が極端に減って変容していく社会」の二つの軸がほぼ等分に描かれる。個人的には「変容する社会」の方に興味があるのだが、家光周辺の人間関係を比較的詳細に描いているのは、読者を飽きさせない工夫でもあるだろう。
この巻では、成人男性の現象故に、諸大名の跡継ぎまでもが性別を偽った女性たちと入れ替わっていく様子、ついに巻末では、家光自身が「女性」としての自分を大名の前に晒していく場面で終わる。
物語の「引き」と設定の巧みさを両立した見事な構成だとは思うけど……このマンガ、いったいどういう所に着地させるつもりなのだろうか?
予想がつかないだけに、先が気になる作品ではある。