米映画界で戦争テーマが復活、話題作が続々登場

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2007/09/post_02f6.html

9/11テロ以降、愛国の嵐と自主規制の波に押され政府批判を控えていたアメリカ映画業界が、怯えながらも再び地上に姿を現しはじめている。

先週末までイタリアで開催されていた第64回ヴェネチア国際映画祭で、名匠ブライアン・デ・パルマ監督の新作『リダクティッド(Redacted)』が銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した。これはアメリカ政府にとって非常に都合の悪い評価である。

『リダクティッド』は実話を元にした戦争映画で、その実話とはズバリ、イラク駐留米軍兵士による市民虐殺事件である。

USAにしろハリウッドにしろ、決して公正なばかりの国でもないし、特にハリウッド近辺はまずもって資本主義的な価値観で動いているわけだけど……それでも、こうして身内の恥部をあえて晒すようなコンテンツを作成、配信しようとするバランス感覚は持っているわけで、そうした点は十分に評価できるのではないでしょうか?
この時期に、こうした傾向の作品群がまとまって制作される、ということの背景には、商売的、あるいは作劇的な意味でさまざまな「計算」に裏打ちされているのでしょうけど、それでも、こうした作品が作れたり公開したりできる環境の方が、そうできない環境よりもずっと健全であることは、確か。