鉄人28号 白昼の残月

まず、不満からいうと、思ったより動かない、ということ、それに、ナレーションやセリフが説明的でくどい、ということ。後者は、この監督の演出傾向というか癖として、以前からあったことだが、前者の「動かない」ということに関していえばは、今回、監督、完全にスポンサーサイドに頭、押さえられているなぁ、という印象が強い。この動きだと、劇場版というより、はやりOVA並だよ。この人の場合、暴走してなんぼ、というところがあるんだが、今回はちょっと「いい子」に収まりすぎて、カタルシスが足りない。あと、TVシリーズに続いて戦後とか時代色をだしすぎるのは、どんなもんか? 作り手側にそういう拘りはあってもいいが、その拘りが
いきすぎた故に、エンタメとしての疾走感がかなり損なわれているような気がするし。正直冒頭から中盤まではかなり退屈で冗長に感じたし、この脚本なり絵コンテなりを、もう少し冷静に見られる人が整理して引き締めたら数段上質の作品になったのではないか。