どろろ

ま、アイドル映画だな。
ネットでみた範囲内では評判がさんざんだったもんで、(マイナスの意味で)期待していったんだけど、思ったほどは悪くはなかった、というところか。
いや、突っ込みどころも多し、途中、ひどく退屈な所も多いんだけど……。特に中盤の化け物退治が延々と続くシーンは本当にひどいと思った。もうすこし、なんというか、こう……形だけでもドラマに絡めようとは思わなかったんか?
脚本は、へたへた。設定は(原作からの変更点は特に)だめだめ。香港仕込みのアクションシーンはそれなりに「百鬼丸」というキャラにあっていたんだけど、ああいうアクション、もう食傷気味だからなぁ、こっちも……。
あと、一番声を大にして異議を唱えたいのは、原作で「戦国時代」となっていた舞台を、完全に架空の「和風の異世界」にしたことで、世界観がひどく薄っぺらになってしまったこと。
このえいがで何が一番面白くないかって、「背景」がないんだよな。手塚だけでなく黒沢とかも細部をじっくりとしつらえることで、作品に奥行きを出していたわけで……そういう基本的な工夫が欠けているから、作品全体の印象が非常に軽々しいものになってしまったと思う。
キャストは、まあ、それなりに様にはなっていて、映画を良い方向に持って行っていたと思う。
あ。主役コンビじゃなくて、琵琶法師役の中村かつおのこと。あの役も、なんか解説用便利キャラになってたけど、この人がやったから、かなり救われてた。
あと、いかにも続編作ります的なラストは、「なるほどそうだろうなあ」という印象。