天国はまだ遠く

なんか、えらくすっきりとした話だった。
最初、主人公の自殺志願女の愚痴がぐだぐだ続くくだりはあまりにもセンチメンタルで読んでいてつまらないので、読むの中断しようかとも思ったが、読み進むに従って、そのつまらなさが逆転していって、面白くなっていく。
それも、「田舎暮らしはいい!」とかスローライフ賛歌とかいった調子ではなく、民宿の田村さんがほどよく主人公に素っ気なく、自然体で、色濃い沙汰に発展したりしないのが、さらにいい。
余談。
帯に、「映画化」と印刷されてたけど、これ……映画向きの話しかなぁ?
低予算で済むかも知れないけど、あまり映像映えする話しでもないと思うけど……。

天国はまだ遠く
瀬尾 まいこ著
新潮社 (2006.11)
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