涼宮ハルヒの消失

実はこのシリーズは未読だったのだが、この刊が「シリーズの中で一番いい」というネットの評判をあてにして、一冊だけ買ってみた。シリーズ全部を読むだけのリソースが、今のわたしにはないのだよ。
あくまで「既刊分の作品を読んでいない」という前提に立って、この一冊だけを読んだ者としての感想なんだが……これ一冊だけだと、ちょっときついんじゃないのか?
というのは、各所にちりばめられたネタが分からない。代表的なのは、あれ、「三年前の七夕」だ。既刊分のどこかに該当エピソードが詳細に書かれているんだろうが、読んでない読者はおいてきぼりやよ。
つまりこれは、「シリーズ全部を読んでいる」読者が前提となっている作りなわけやね。
いや、それが悪いとはいわんけど……「第○巻」みたいな表示がない以上、もう少し「知識がない読者」に対する配慮のしようがあったんじゃないかな、とは思う。
「余分な知識があったほうが楽しめる」というのと、「余分な知識がなくては意味がわからない」とうのとでは、やはりちょっとちゃうと思うのよ。

涼宮ハルヒの消失
谷川 流〔著〕
角川書店 (2004.8)
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