マリコ マリキータ

短編集。
どの作品もイメージが的確に描写されている。
この中では、表題作と「アップリンク」が好みかな?
最後の、一番長い「帰ってきた男」とかは、遺跡の設定とかネタとしては完全にSFなんだけど(要するに、諸星大二郎のの「生物都市」のソフトウェア・ヴァージョンでしょ?)、それを考証とか無視してあくまで文学の枠組みで表現し切っちゃっていて、そのあたりの力業に感心したり、不足感を憶えたり。 

マリコ マリキータ
池沢 夏樹〔著〕
角川書店 (2006.5)
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