盤上の四重奏（カルテット）

posted with 簡単リンクくん at 2006. 4.27

友桐夏著
集英社 (2006.3)
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ミステリとか「リリカル・ミステリー」シリーズ内での符号とかよりも、「現代」を舞台に選びながら、ここまで非現実的な場所で、非現実的なキャラクターが、非現実的な心理や行動原理を持って動き回っているということに、畏怖すら覚えた。
あー。
やっぱ、ラノベとかジュブナイルというのは、やはり若い連中のためのコンテンツであってさ、その年齢の連中ってのは、「自分は特別な存在である」とか認識したいわけで、だから、電撃とかその他の（どちらかといえば）少年向けのレーベルでは、突出した能力を持つ少年少女が世界を救ったり、悪意と戦ったり、やたら異性に好かれたりするわけで、この作品の中の「非現実性」も、そうした「過剰な自意識」を満足させるためのフェティッシュな舞台装置なのでは？
この作品では、その「特別な存在」であるヒロインは、本当は果たして誰だったのか？　というところまで作中で「仕掛け」としてしようされているわけで、そういう意味では、たしかに、特殊だとは思う。
……などという理屈をこねたがるおっさんは、こういう本を読んではいけませんね、はい。